京の食文化とは

京の食文化


平成25年12月4日,「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されました。 和食には,日本人が大切にしてきた心,多くの知恵が詰まっています。今回の無形文化遺産登録は,日本の食文化の価値が世界に認められたことを意味 します。 京都には長い歴史と四季折々の豊かな自然の中で洗練されてきた京料理や,旬の野菜などを使ったおばんざいなど,さまざまな「京の食文化」が根付い ています。 今回の登録を機会に「京の食文化」を見つめ直し,世代を越えて受け継いでいきましょう。




「京の食文化が」生まれた背景

三方を緑豊かな山々に囲まれ,鴨川をはじめとする清流の恵みを受けながら,鮮やかに季節が移ろう京都は,平安京遷都以来,千有余年の永きにわたり都が置かれ,日本の政治,文化,宗教の中心地として栄えてきました。その中で,人々は暮らしの営みを積み重ね,公家,武家,僧侶などとの文化的なかかわりから,その行事やしきたりが日常の生活に定着するなど,多様な文化の影響を受けながら,食文化をはじめ地域ごとに豊かな京都の町衆文化を育んできました。

良質の水と肥沃な土壌に恵まれ,自然との共生を大切にしてきた京都は,消費地である都市部と生産地である農村部が近接し,食を通じた循環を作り出してきました。その中で,仏教思想とも相まって,野菜を中心とした食文化を育むとともに,都であった京都には,琵琶湖や近海だけでなく遠く北海などから水産物が運ばれ,海から離れていたことが製造技術や調理法に創意工夫をもたらし,京都の食文化を発展させました。

また,全国から多様な文化が流入し,茶の湯や生け花をはじめとする生活文化が京都で栄えたことに加え,漆器や陶磁器,木竹工芸品等の生産が発達していたことから,季節感やおもてなしの心,本物へのこだわりといった精神文化が京都の食文化にも浸透していきました。




「京の食文化」が持つ特質

食への姿勢

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神仏とのかかわりの中で培われた,自然やいのち,食に関わる人への感謝を「いただきます」「ごちそうさま」という言葉で表し,生活の中から 生まれた,食材を無駄なく大切に使う心「始末」「もったいない」という精神を持ち続けています。また,洗練された文化との触れ合いを通 じ,町衆の暮らしの中で育まれた本物・本質へのこだわりを大切にしています。四季折々の美しい自然の中で培われた季節感を取り入れ,茶の湯や生け花といった生活文化によって育まれた「おもいやり」「おもてなし」の心 を持ち,そしてその中で研ぎ澄まされた五感での味わいが,今日の京の食文化を支えています。


食の特徴

・暮らしにメリハリをつけるハレとケの使い分け
・ご飯を主食とした一汁三菜が基本
・旬の野菜を中心に乾物や大豆加工品,漬物などとの上手な組み合わせ
・食材の持ち味を引き出す出汁をベースに健康的
・悠久の歴史の中で洗練された,五色,五味,五法を五感で愉しむ料理


和食の「五」

  • 五色  青、黄、赤、白、黒
  • 五味  甘味、酸味、塩味、苦味、うま味
  • 五法  切る、焼く、煮る、揚げる、蒸す
  • 五感  視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚

「京の食文化」には何があるの?


暮らしが育む食文化

家庭のおかず
(おばんざい)
京都の家庭で受け継がれている日常的なおかず。味付けは出汁を基本に,旬の野菜など,
季節の食材を無駄なく使いきるよう工夫された料理です。
おきまり料理 毎月「何の日に何を食べる」と決め,栄養の均衡を図りながら,食生活に節目をつけます。
商家などで引き継がれてきた生活の知恵です。
具体例はこちら
(外部サイト:京都をつなぐ無形文化遺産「京の食文化」HPへリンクします)
行事食 無病息災や家内安全などの願いを込めて,暦や年中行事に合わせて作ります。
具体例はこちら
(外部サイト:京都をつなぐ無形文化遺産「京の食文化」HPへリンクします)
儀礼食 お食い初めや祝い膳など。
婚礼や還暦などの人生の節目に作ります。
すし さばずしなど保存性の高いすし文化が発展しました。
ハレの日のごちそうとしても欠かせません。
麺類 京都ならではのものとして,たぬき(あんかけきつねうどん)やにしんそばなどがあります。
汁物 多忙な職人を中心に,丼物も広まりました。
京都独特のものとして,衣笠丼などがあります。




暮らしを支える食文化

野菜 京都特有の気候と良質の水,肥沃な土壌といった自然に恵まれ,育まれてきました。
漬物 千枚漬,すぐき,しば漬など。
発酵によって生じる奥深いうまみを持ちます。
乾物や豆腐
などの加工品
棒だら,塩さば,ぐじ,はも(骨切り),鮎など。京都で手に入る魚をおいしく調理します。
味付け 白味噌やうす口醤油など。
出汁を基本に素材の持ち味や色合いを生かします。
市場 日本最初の中央卸売市場や「錦」,商店街など。
京都の食文化を支えています。
道具類 包丁や金網など。
都であった京都には優秀な職人が集まり,伝統を築いてきました。




暮らしを彩る食文化

京都特有の気候と良質の水,肥沃な土壌といった自然に恵まれ,育まれてきました。
和菓子 伝統行事や茶道の中で洗練。原料の産地と良質の水にも恵まれ多彩に発展しました。
清酒 良質の地下水にも恵まれ,京都の清酒は全国にその名が知られるようになりました。(京都市は,「清酒の普及の促進に関する条例」を平成25年1月に制定・施行。)




もてなしの食文化

「有職料理」,「本膳料理」,「精進料理」,「懐石」,「川魚料理」が融合して「京料理」に発展。味付けは出汁,
献立は一汁三菜を基本とし,料理人の洗練された技術と美意識によって調理,盛り付けされた,五色,五味,五法を五感で愉しむ料理です。
料理屋 料理だけでなく,器や「しつらえ」と併せて,「京料理」を五感で味わうことができます。
仕出し 年中行事の祝いごとや祭礼,法事,接待のためのもてなし文化として発展しました。
しつらえ 床の間や美術工芸品,座敷から見える庭園などで食空間を演出します。


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